脳神経外科医 吉村紳一氏

 こんにちは、吉村です。この欄では「脳卒中予防に関する最新情報」を紹介してきましたが、今回で担当を終えることになりました。これまでお読みいただいた皆さんに、心から感謝申し上げます。

 さて、最終回だからこそ、強調したいことがあります。それは「ほとんどの脳卒中は予防が可能である」ということです。そのために私が作成した「脳卒中にならないための5カ条」を紹介します。その1 敵を知り(脳卒中はどんなものかを知る)。その2 己を知れ(MRI=磁気共鳴画像装置=などを受ける)。その3 危うきを避け(高血圧など脳卒中の危険因子を避ける)。その4 薬を煎じ(必要に応じて薬を内服する)。その5 術を使え(最終手段として手術を受ける)、ということです。これらを守れば、高い確率で脳卒中を予防できます。詳細については、拙書「脳卒中をやっつけろ!」(三輪書店)で解説しています。インターネットで入手できますので、もしよろしければお読みください。

 私は岐阜県で生まれ育ち、1989年に岐阜大医学部を卒業後、長期にわたり、岐阜で脳卒中診療に携わってきました。縁あって2013年に関西に拠点を移し、極めて多くの手術(特に脳動脈瘤治療など)を手掛けています。ただ、現在も月に一度は大垣徳洲会病院で診療をしていますし、インターネットでメール相談なども行っていますので、ぜひご利用ください(いいお医者さんネット http://www.e-oishasan.net)。

 それでは長い間お世話になりました。みなさん、どうかお元気で!

(兵庫医科大学脳神経外科主任教授、大垣徳洲会病院外来担当)