小児科医 福富悌氏

 新型コロナウイルスに対するワクチンの3回目の接種と、5歳から12歳の子どもへの接種に関することが話題になっています。追加接種(3回目接種)について厚生労働省は、接種期間を令和3年12月1日に開始、令和4年9月30日までと予定しています。

 新型コロナワクチンの追加接種(3回目接種)の対象は、2回目接種を完了した日から原則8カ月以上経過した人、18歳以上の人、日本国内での初回接種(1回目・2回目接種)または初回接種に相当する接種(海外などで)が完了している人、という条件を全て満たす人としています。12歳未満の子どもにつきましては、米国では11月2日に5歳から11歳の子どもへの接種が始まりました。厚生労働省は11月17日、子どもへの接種が認められた場合、早ければ来年2月ごろから始まることを発表しました。

 日本では東京オリンピックの後に発生した第5波により、とても多くの方が感染しました。その後は急激に減少し、これにはワクチンの効果が考えられています。

 変異株についてはインドから広がったデルタ株を、WHOが5月11日に「注視すべき変異」と位置付けました。さらに11月26日、オミクロン株を「懸念される変異株」に指定しました。このような新しい変異株が出現するとクラスターを発生させ、第6波が来ることが心配されます。さらにワクチンの効果が気になるところです。

 このことについては、毎年流行していたインフルエンザでも同じで、変異株が出現するためワクチンを接種していても感染することはありますが、重症化を防ぐとされています。今回のオミクロン株においても同様に、重症化予防の効果があると考えられます。そのため、今後行われる追加接種や子どもに対するワクチン接種については、多くの副作用や効果についての情報がネット上にあふれ、接種するかどうかの判断に困ることも予想されますが、ネット上の情報に振り回されず、正しい情報を得てワクチン接種することを考えましょう。

(福富医院院長、岐阜市安食)