【準々決勝 市岐阜商12―0長良】
 逆転の長良の勢いを止めろ―。市岐阜商のエース森楓真の気迫は立ち上がりから、すさまじかった。コールド成立寸前の六回にも再びギアを上げ、3安打完封。12安打12得点の猛攻も呼び込んだ。

市岐阜商×長良=2回裏、力投する市岐阜商のエース森=長良川

 長良は3回戦の岐阜各務野戦で1―8から17―9で大逆転。4回戦では同じく大量点差をくつがえし、第1シード岐阜を破った関商工に逆転で9回サヨナラ勝ちしている。

 「勢いづかせないように立ち上がりから、長良をねじ伏せる」。森は初回こそ、2死から力み過ぎて連打を浴びたが、5番奥村尚巧を縦スライダーで空振り三振に切ってとってから、リズムに乗った。二回から四回まで3イニング連続三者凡退。北岡剛監督が「森の投球が、打線のつながりを生んだ」と語るように、大量得点で六回表を終えて12―0と突き放した。

 だが、逆転の長良。「最後まで気を抜くな。九回まで戦うつもりで」の北岡監督の言葉にうなずくと、気合を加速。六回裏2死で迎えた4番国江悠太に141キロもマーク。三振に打ち取って、4強入りを決めた。

市岐阜商×長良=6回表市岐阜商1死二、三塁、右中間3塁打で2点を追加する田中=長良川

 「点差もあり、縦スライダーの切れもよく、楽にリードできた」と自ら2本の長打を含む3打数3安打を放った捕手田中仁。投打ががっちりかみ合った市岐阜商が準決勝の舞台に挑む。