今大会は新型コロナウイルス対策が大幅に緩和され、初戦で対戦する監督同士がバックネット裏で顔を合わせる監督対談が4年ぶりに実施された。前任の東邦(愛知)時代も含め春夏通じて35度目の甲子園となる大垣日大の阪口慶三監督(79)と、22度目となる近江・多賀章仁監督(63)の両ベテラン指揮官が理想の展開などを語った。
-相手の印象は。
阪口 名将多賀先生のつくられたチームなので投手力、攻撃力全てに隙がない。また、いわゆる「高校野球」をやるチームだ。非常に子どもが素直で、真面目で、一生懸命プレーしている。
多賀 投手力、攻撃力全てに素晴らしいチーム。阪口先生を本当に尊敬していて、身に余る光栄なお言葉をいただいて本当にうれしく思う。
-相手の注目選手は。
阪口 投手。左右の投手が、どちらも野球に必要なカーブを自由に操れる好投手だ。
多賀 捕手で4番の高橋君と(エースの)山田君の2人は、チームの精神的支柱。注目している。
-自分のチームの鍵になる選手は。
阪口 当然山田。つなぎができる近江打線をどこまで抑えられるかが大きな鍵になると思う。
多賀 やはり主将の横田だろう。それと投手陣。強力打線なので6人全員使ってでもという形になる。
-理想の展開は。
阪口 やはり先取点。1点の重さを十分に考えた上で作戦を立てて、小刻みに点を取る、そういう野球をやりたい。
多賀 何とか接戦をしたいというのが本音。終盤勝負になるようなゲームができれば一番いい。攻撃的な守りが一つのポイントになると思う。
-初戦に向けての意気込みを。
阪口 非常に手ごわい相手。選手たちが甲子園で大いに暴れられるような、躍るような采配を振るいたい。
多賀 甲子園に来ることができ、何よりも選手たちの成長を感じている。今までやってきたことをこの一戦に全て出してくれると信じて臨みたい。