2023年10月31日掲載
企画・制作/岐阜新聞社営業局
 

企業の活力は従業員健康から

 労働人口が減少し、多様な働き方が企業にも求められている中、従業員の健康増進に取り組むことで、生産性の向上や人材獲得などにつなげる「健康経営」が注目されています。岐阜新聞社では、岐阜県や岐阜労働局、岐阜県商工会議所連合会、全国健康保険協会(協会けんぽ)岐阜支部などと協力して「ぎふ健康づくり応援プロジェクト~健康経営のすすめ~」を今年も展開していきます。

 7月に岐阜県健康福祉部長に就任した丹藤(たんとう)昌治氏に、本県のがん対策の現状や健康経営の重要性などについて聞きました。


 

岐阜県のがん対策の現状について

 2021年の岐阜県衛生年報によると、主要死因別死亡数の1位はがんで、全体の4分の1以上を占めています。男女別がん部位別死亡割合では、男性は肺(気管、気管支を含む)、胃、すい臓の順に多く、女性は肺(気管、気管支を含む)、結腸、すい臓の順となっています。また、がんの罹患率では、男性は胃がん、女性は乳房が最も高いです。(図①)

 胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がんの5大がんは、適切な検診を受けることで早期発見・早期治療につながり、がんの死亡率が低下することが科学的に証明されています。岐阜県は、これまでがん検診の受診率50%以上を目標に掲げて取組みを進めてきましたが、2022年の国民生活基礎調査によると、肺がん以外は目標を達成していません。

 今後も岐阜県では、受診率向上に向けた取組みを推進してまいりますが、県民の皆さんにも自分と家族のために継続したがん検診の受診を検討していただきたいです。

働き世代の治療と仕事の両立支援について

 厚生労働省によると、何らかの疾患で通院している労働者の割合は3人に1人で、その労働者の2割弱が、職場における治療期間中の配慮が十分でなかったとされています。健(検)診による早期発見は大切ですが、それはあくまでスタートです。働き世代が、その後の早期治療や治療継続と向き合うには、職場の理解が非常に重要であると、身をもって痛感しました。治療と仕事の両立ができる職場であるからこそ、従業員は安心して健(検)診にも足を運べると考えます。

健康経営の重要性

 高齢化が進む現代において、従業員が健康で長く活躍できることは、従業員の活力や生産性向上などに繋がり、結果的に離職率の低下や多様な人材の確保、業績拡大など企業にとって多くのメリットがあります。忙しくて自分の健康が二の次になっている方に対しても、健康づくりに取組みやすく、自然に健康になれる環境を企業側が整えていくことが大切です。

働き盛り世代に向けたその他の取り組みは?

 「清流の国ぎふ健康・スポーツポイント事業」では、健康づくりに対してポイントを付加するなどインセンティブを提供して、健康づくりに励む県民を応援しています。「野菜ファーストプロジェクト」では、野菜の摂取や減塩を重点に置き、食習慣改善の啓発や講習会、イベントの実施をしています。こういった事業を健康経営の一環として活用している企業は多く、生活習慣改善のきっかけとなっています。

 

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https://www.pref.gifu.lg.jp/page/18488.html
 


わたしたちは、ぎふ健康づくり応援プロジェクトに参画しています