閉校前の最後のスケート学習を楽しむ児童=郡上市明宝小川

 岐阜県郡上市明宝小川の小川小学校の伝統行事「スケート学習」が12日、学校近くの野外スケートリンクで始まった。同校は3月で閉校となるため、スケートの授業としては最後のシーズンとなる。整備を担う地元住民に見守られ、全校児童4人が初滑りを楽しんだ。

 小川地区は約60世帯が暮らす集落で、明宝地域中心部と険しい峠道で隔てられていた。昨年10月のめいほうトンネル開通で往来の安全性や所要時間が大幅に改善するなどしたため、4月に明宝小学校に統合されることになった。

 スケート学習は1982年に始まり、かつては大勢の児童や民宿の宿泊客もリンクを利用した。児童の練習の成果を披露する発表会は、地域総出でにぎわった。

 リンクの広さは約30メートル四方。コンクリートの広場に積もった雪を車で踏み固め、保護者が主体となり連夜ホースで水をまいて平らに凍らせる。児童数の減少に伴い存続が危ぶまれたものの、伝統を守ろうと2018年には同校OBの日下部克幸さん(50)が会長を務める「小川スケートリンクの会」が発足。思いを同じくする地元有志ら約20人が整備を続けてきた。

 この日は、初挑戦の1年生を含む4人が氷の感触を確かめた。6年生の男子児童(12)は早速スピンを披露するなどスケートはお手の物。「伝統の授業がなくなるのは寂しいが、地域の人への感謝の気持ちは忘れない」と笑顔を見せた。日下部さんは「スケート学習は地域の誇り。児童には一生の思い出として最後の授業を楽しんでほしい」と目を細めた。