岐阜県主催の将棋普及イベント「清流の国ぎふ将棋フェスタ」が9日、県庁で開かれ、日本将棋連盟プロ棋士の高田明浩四段(21)=岐阜県各務原市出身=と、10月にプロ入りを果たした宮嶋健太四段(24)=岐阜市在住=が公開対局に臨んだ。プロ入りまでしのぎを削った2人の対局は終盤までもつれる展開となり、高田四段に軍配が上がった。県出身同士の棋士が岐阜で公開対局するのは初で、棋界における県勢の活躍を期待させる一局となった。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」非公式戦ながらも、対局前の2人のインタビューでは早くも舌戦が始まっていた。「棋士としては自分が先輩。貫禄を示したい」。3歳年下ながらも先にプロで活躍を見せる高田四段はしたり顔でジャブを入れた。対して宮嶋四段は笑顔を見せながらも「先制パンチを食らったので殴り倒せるように頑張る」と力強く応じた。
対局は序盤から、後手の高田四段の積極的な指し回しが光った。9四歩、9五歩と序盤から端歩の位を取り、プロでも指しこなすのが難しい「菅井流三間飛車」を採用。「優秀ではない戦法だが、イベント用で用意した」と感想戦で振り返った。対する先手の宮嶋四段は、王道の居飛車で対抗。金銀で玉を固めながら駒を押し上げ、反撃の機会をうかがった。
高田四段が中盤で駒得し、優勢のまま終盤戦に突入。宮嶋四段は大駒の「馬」を切ってから猛烈に後手玉を追い詰めるも、最終的に後手が序盤に突いた端歩のスペースに逃げ込まれ、万事休すとなった。最後まで勝敗が分からず、息をのむ展開に高田四段は終局後、「感覚的には詰まないと思っていたが、運試しのつもりで指していた」と安堵(あんど)の表情を見せた。
イベントでは、永世名人の資格を持つ森内俊之九段が10人同時を相手にする「10面指導対局」や、トークショーが行われ、子どもから大人までの愛好家が将棋を楽しんだ。
「場慣れを見せつけられた」 敗れた宮嶋四段 終盤は猛攻を見せる
12月19日の竜王戦で公式戦デビューを控える宮嶋四段にとっては、ほろ苦い一局となった。会場を埋め尽くすほどたくさんの観客が訪れ、古里での大一番に「緊張でたくさん水を飲んだが、高田君は1滴も飲んでいなかった。場慣れを見せつけられた」と悔しさをにじませた。
序盤から意表を突く高田四段の指し回しに、丁寧に対応した。終局後のインタビューでも「序盤はこちらのペースだった」と振り返った。勝負の分かれ目は55手目の3六歩。敵の大駒「角」が自陣に侵入する展開となり、駒損を許した。「頭が痛くなった」と語った。
それでも同じ県出身のライバルには簡単に勝たせられない。111手目の8四馬と大駒「馬」切ってから猛攻を見せ、敵玉をあと一歩のところまで追い詰めた。「この借りは高田君より先に五段になって返したい」。プロに舞台を移した、郷土のライバル2人の物語は、まだ始まったばかりだ。
◇・・・棋譜・・・◇
▲2六歩△3四歩▲7六歩△9四歩▲2五歩△9五歩▲7八金△3二金▲6八玉△3三角▲同角成△同金▲3八銀△3二飛▲8八銀△3五歩▲4六歩△6二玉▲8六歩△7二玉▲7七桂△6四角▲4七銀△8六角▲8七銀△6四角▲5八金△5四歩▲6六歩△4二銀▲6五歩△5三角▲5六銀△4四歩▲4五歩△4三銀▲4四歩△同角▲4八飛△5三角▲7五歩△4四歩▲7六銀△2二飛▲6四歩△同角▲6五銀右△4二角▲7四歩△同歩▲7三歩△同桂▲7四銀△8二銀▲3六歩△6四角▲1八香△1九角成▲6五桂△同桂▲7三歩△同銀▲同銀不成△同玉▲6五銀△2九馬▲5六桂△6六桂▲3一角△7二飛▲7五角成△7八桂成▲同玉△6二玉▲7四銀△6六桂▲8七玉△8四銀▲6三銀不成△同玉▲6四馬△6二玉▲6三銀△5一玉▲7二銀不成△同金▲3一飛△6二玉▲6七金△7五銀打▲7四桂△5二玉▲8一飛成△7一金打▲同竜△同金▲5三金△5一玉▲6五馬△8六飛▲7七玉△7六歩▲同金△8八銀▲6八玉△7六銀▲6六馬△6七歩▲5九玉△7七銀引不成▲8四馬△同歩▲6三桂△4一玉▲4二銀△3二玉▲3三銀不成△同桂▲4三金△同玉▲4四飛△5二玉▲5四飛△5三歩▲5一桂成△6三玉▲6四飛△7三玉
128手で後手の勝ち。















