子育て中に介護職員に

渡邊さん(山内ホスピタル介護老人保健施設・岐阜市)

渡邊さん(山内ホスピタル介護老人保健施設)

 20代で2人を出産し、30代になる少し前から働くことにしました。子育てとの両立が第一でしたので、非正規で工場勤務や整形外科での助手など、いろいろな仕事を経験しました。

 転機になったのは、滋賀県に住んでいた祖父と一緒に暮らしたことです。祖父は介護が必要な状態というわけでなく、子どもの送迎なども手伝ってくれました。次第に「祖父に介護が必要になった際は自分が看(み)たい」と思うようになったのですが、結局1年ほどで滋賀に戻り、しばらくして亡くなりました。

 心にぽっかりと穴が開いたような気持ちでいましたが「介護職員になって祖父にできなかったことを利用者にできたら」と考えるようになって、病院で介護職員として働くことにしました。子どもが大きくなったタイミングで山内ホスピタルに正職員として就職。1年前の人事異動で山内ホスピタル介護老人保健施設の主任となりました。

 介護職を始めてから、おじいさんやおばあさんのことが好きになりました。すれ違うこともありますが、コミュニケーションをしっかり取って言い分を聞いていくことで良い関係がつくれることにやりがいを感じています。そういった関係になれるのは、ケアがあるからで、ただ話すだけではそこまではなれないと思います。

 つらいことは看取りです。介護の仕事をしているとどうしても看取りの場面に出くわしますが、いつも「もっと何かできたのではないか」と後悔のような気持ちになります。

 

 当面は、老健の雰囲気や主任の仕事に慣れることが目標です。病院は病気を治すこととけがをさせないことが第一でしたが、老健は生き生きと生活するお手伝いができますし、行事などで春夏秋冬を感じてもらうこともできます。主任は現場のこと以外にも管理業務やデスクワークもあります。一日一日、何とかミッションをこなしているような状態が続いていますが、乗り越えていきたいです。