-昨年を振り返って。

 受注高が安定し、業績が上向いた1年になりました。国土交通省やNEXCOの大型案件の受注が堅調に推移しています。具体的には国が建設を進める「設楽ダム」(愛知県)の橋の架け替え工事のほか、NEXCO関係では中央、北陸、中国などの高速道路のリニューアル工事を抱えています。主要な高速道路は老朽化が進み、リニューアル時期を迎え、当社が製造するプレストレストコンクリート(PC)床版の需要が高まっています。

 -昨年7月には福島県郡山市に新工場が完成しました。

 橋桁の日本産業規格(JIS)認証は3月に取得できる見通しです。4月からは、PC床版や橋桁はもちろん、須賀川工場から移設するPCマクラギや建築部材の製造を開始します。工場の立ち上げは順調に進んでいます。

 -石炭火力発電所の燃料をアンモニアに置き換える取り組みは。

 いよいよ国内でも始まっています。国はアンモニアを脱炭素の切り札として考えており、アンモニアを貯蔵するタンクの需要が高まるとみています。当社はPCタンクの製造を得意としており、このチャンスをしっかりとつかみ取りたいです。

 -2024年問題への対応は。

 新型コロナウイルス禍に加速したDX化やICT(情報通信技術)の活用を推進し、業務の簡素化に努めています。当社では3年連続で賃上げを行っていますが、人材確保のためにも、国は公共事業の労務単価をさらに引き上げることが必要ではないでしょうか。

 -今年の抱負を。

 安全第一と品質確保はもちろん、顧客満足度の向上を最優先に事業を進めます。建設業にはサービス業の視点が重要です。技術提案に力を入れ、社会インフラの整備に貢献していきます。