―昨年を振り返って。

 5月に新型コロナが5類感染症へ見直されたことにより、全面的にとはいきませんが、入院患者さんへの面会を一部緩和しました。現在は新型コロナでの入院患者さんが減少したことで、今後の社会全体の感染状況を考えながら、面会も元の形に戻していきたいと考えています。ただ、県内でコロナ感染者が増加した際に対応できるよう、体制を整えています。

 ―昨年オープンした総合患者サポートセンターにおけるサービスの拡充について。

 入退院、医療関連、相談支援の三つの支援部門があります。昨年は入退院の支援部門を拡充し、入院時から退院時までの患者さんの情報を収集し対応しています。他にも手術の説明用の動画を作成し、あらかじめ患者さんと家族に見てもらう取り組みも始めています。どのような手術や治療をするのか口頭の説明だけでは伝わりにくい部分を補ってくれる動画は、安心につながると好評です。

 ―医療DX(デジタルトランスフォーメーション)で、患者サポートの充実を図っていますね。

 初めて来院される患者さんにはiPadを使った問診で診察時間の短縮につなげています。他にも、AI搭載の自走型ロボット「temi」を外来と病棟に1台ずつ導入しました。外来では、検体などを検査室に運ぶ役割を担っており、病棟では入院患者さんへの施設案内などを任せています。ロボットの稼働は看護師の負担軽減につながっており、今後増やしていく予定です。

 ―今年の抱負は。

 医療DXを導入して、大学病院に入院する患者さんへのサポートやサービスを向上させ、地域医療をより発展させていきたいです。当病院は来年、創立150周年を迎えます。それに向けての周年事業なども考えています。