-昨年、観光需要が急回復しました。

 経済が活性化し、コロナ前の業績に戻りつつあります。ただ、訪日観光客は戻っても、温泉に入って部屋で料理を食べる日本人観光客の需要はまだ回復途上と感じています。人手不足で夕食を提供するホテルや旅館が減るなど、食に関わるビジネスのあり方やニーズが大きく変化しています。食の需要は消費者の行動変容で多様化しているため、変化をリサーチして商品開発に生かしたいです。

 -どう対応しますか。

 昨年3月に東京で開催されたアジア最大級の食品・飲料展示会におよそ10年ぶりに出店し、顧客の掘り起こしにつながりました。ホテルや旅館といった既存のお客さまとの取り組みを強化するとともに、チェーン展開するカフェや居酒屋、コンビニ、介護施設など新たな業態の開拓に力を入れます。「生まれ変わるんだ」という心意気で、「リブランディング」にも注力します。営業がお客さまとの接点を多く持つことで、コロナ禍に広がった距離を縮め、求められる食材を提供します。

 -人材育成の考えは。

 今年は「人間力」の向上をテーマに取り組む予定です。

 仕事上の社員の能力を引き上げていくことはもちろん重要なことですが、それ以上に、社員一人一人が「人間力」を高めていくことは、仕事ができること以上にもっと大事なことだと思います。この取り組みを1年間続ける中で、人間味のある、味のある人材に育ってほしいと思います。

 -今年の抱負は。

 訪日観光客への対応と国内需要の回復に焦点を当て、商品開発に力を入れます。人手不足はホテルや旅館、仕入れ先のメーカーまで全ての業界で起きており、省人化できる商品はもちろん、オリジナル性の高い商品も開発します。お客さまの抱えている悩みや課題に寄り添って解決を図っていきます。