岐阜県瑞穂市のJR東海道線で線路内のロープを切断したとして、岐阜県警は器物損壊の疑いで大学生ら3人を逮捕しました。3人はいわゆる「撮り鉄」で、写真に写り込まないようにロープを切断したとみられます。さて、この事件を伝える本紙記事によると、現場は「伊吹山を背景に撮影できる」らしいのですが、小学校は隣の校区だった地元の者としては、そんな話は聞いたことがありません。確かに、岐阜市内や瑞穂市内からは伊吹山は見えますが、撮影地としては認識していませんでした。どんな場所だったのか。現場近くまで行ってきました。撮ってみると、引き気味の絵なら伊吹山は入りますが、線路に近づくと見えなくなりました。ただし、試していないし試す気もない場所は1カ所あります。

東海道線を走る311系電車と伊吹山(トリミングなし・35ミリレンズで撮影)=岐阜県瑞穂市野田新田

 瑞穂市内の東海道線は、全区間が築堤の上を通っています。また、いくつもの川を渡っています。事件現場となったのは瑞穂市牛牧(うしき)。東海道線はこの付近で、五六川と犀川という二つの川を渡っています。東海道線が牛牧を通るのは、この二つの川の間です。五六川の堤防に向かいました。まずは東側。こちらは瑞穂市野田新田です。東海道線の南側を通る道路橋のあたりから、伊吹山が見えました。堤防を通って線路側へ歩きます。堤防より線路が高い位置にあり、伊吹山は見えなくなります。

 伊吹山が見えるアングルとなると… 線路がある築堤に登るぐらいしか思い浮かびません。が、そんなところに行く気は一切ありません。...