岐阜県瑞穂市の長良川沿いを南流する天王川。国道21号の南側の畑地にある、わずか数メートルの橋の通称名です。

 「源衛」は地元の政治家・井上源衛(げんえ)(1845~1923年)の名からとっています。養蚕製糸業の発展に尽力し、県議や衆院議員も歴任した人物です。「げんえ」ではなく「げねさ」と親しみを込めて呼ばれているのは、地元で愛されていた証左でしょう。当地には源衛の墓もあります。

 人物の名前を冠した県内の地名はほかにもあります。身近な所では、岐阜の玄関口・JR岐阜駅がある岐阜市の「橋本町」です。仙台の実業家・橋本忠次郎(1856~1916年)が資金を集めて駅周辺の土地を取得し、駅舎の移転に尽力した功績にちなんでいます。それぞれ別の分野ですが、岐阜の発展のため同じ時期に尽くした2人の名は、今でもしっかりと息づいているのです。

(「地名が語るふるさと穂積」などを参照)

 

【答え】げねさごうど