従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する「健康経営」に取り組む企業が県内でも増えてきています。

 「ぎふ健康づくり応援プロジェクト」では、健康経営に積極的に取り組む企業をシリーズで紹介していきます。

2024年2月3日掲載

株式会社 飛騨ダイカスト(飛騨市)
機械部品製造

アンケートから社員の健康状況を把握、健康啓発を促す情報も積極発信

 高度なアルミニウム鋳造技術で自動車部品などを製造している飛騨ダイカストは、従業員が健康で長く働ける会社を目指し、健康経営に注力する。2021年から健康習慣に関するアンケートを取っており、各従業員の睡眠時間や体調面を把握。アンケートの結果から従業員の運動への関心が落ちていること分かり、ストレッチ月間を設けた。その他にも喫煙者が減少しているプラス面や、夜勤の従業員が生活のリズムを作りづらいといった対応すべき課題も見つかった。

 食事面での啓発では、県飛騨保健所が提供する健康に関するチラシなどを社員食堂に掲示。1日に食べるべき野菜の量を示したり、カップラーメンやアルコール、サラダなどを置いてそれぞれのカロリー数を表示するなどした。第1種衛生管理者の資格を持つ従業員が自身の知識を生かし、従業員に向けてアドバイスを送ることも行っている。休憩室では健康関連のスライドを常に流しており、給与明細には、ワンポイントアドバイスを記載。その他にも、社内の自動販売機に飲料水のカロリーを表示し、意識向上を図る。

 安全衛生委員会の場に専門家を招き、健康経営のセミナーも実施。その他にも管理者を対象に、自分の強みを診断して才能を引き出す「ストレングスファインダー」を行った。今後の展望について、中屋出常務取締役は「地域に貢献していく会社にしていきたい。そのためには社員の家族も含めて健康な生活を送れる環境を形成したい」と話す。

【会社概要】
■本社/飛騨市古川町宮城町491-1 ■創業/2005(平成17)年 ■代表者/代表取締役社長 渡邉 正憲 ■従業員数/58人(男性34人、女性24人)

株式会社 東海技研(恵那市)
自動車部品試作加工・量産加工

個人に合った働きやすさを提供、日頃のコミュニケーションも重視

 自動車部品の試作加工から精密量産加工までを手がける東海技研。業務の生産性を上げるためにノー残業デーを設け、労働時間が一定の時間を超えたらアラートが鳴り、直属の上司に連絡が届くシステムを構築するなどして、過重労働を防いでいる。

 また、有給休暇を取得しやすい社内の雰囲気形成に取り組むなどして、より良い職場環境を整備してきた。その他にも工場の空調機を充実させ、作業場での温度管理を徹底。夏でも冬でも快適に働けている。

 健康面では年に1回、食に関する講習会を実施。社内食堂には血圧計やバランスボールが置かれており、通常の弁当の他に健康に配慮した弁当を購入できる。社内の自動販売機では、黒酢やブルーベリーを使った健康的な清涼飲料水もそろう。

 運動に関してはウォーキング用のアプリを社員に提供。体調管理では、インフルエンザの予防接種を会社側が全額負担。禁煙外来の補助も行っている。

 人材育成策として、若手社員に年齢の近い先輩社員をメンター役として付け、さまざまな相談に対応できる体制を整える。また、試作品の製作が業務上多いこともあり、社員同士でコミュニケーションを取ることを重視。加藤規久代表取締役は「就業前の朝は毎日全従業員にあいさつをしている。年代に関係なく、自分に対して言いたいことを伝えてもらえたら」と言い、今後も社員に対して「各個人に合った働きやすい職場を提供しつつ、個々の人生も大事にしてもらえれば」と話す。

【会社概要】
■本社/恵那市長島町永田307-54 ■設立/1988(昭和63)年1月 ■代表者/代表取締役 加藤 規久 ■従業員数/64人(男性52人、女性12人)

わたしたちは、ぎふ健康づくり応援プロジェクトに参画しています

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