介護の必要な方が自立した生活を送れるように、その方や家族の要望を受けてケアプラン(介護サービス計画)を作成するのがケアマネジャー(介護支援専門員)です。特別養護老人ホームなどの施設や、家で生活する要介護の高齢者を支える居宅介護支援事業所で働いています。その他に要介護認定や区分変更手続きなどの代行や、ケアプラン作成のために家族や事業者などが参加して話し合うサービス担当者会議も開きます。

 ケアマネジャーになるには、介護支援専門員の資格が必要です。受験するためには介護福祉士や看護師などとして、福祉施設や医療機関などでの5年以上の勤務経験が必要です。

ケアプラン考え寄り添う 福祉の仕事ファイル

ケアマネジャーになったきっかけややりがいを、大垣市のケアセンターくつろぎの久世さんにうかがいました。

介護福祉士として10年以上働き、育中に介護支援専門員の資格をとってケアマネジャーになった久世美都理さん。「複数の選択肢を提案できるようになりたい」と話す=大垣市馬場町、ケアセンターくつろぎ

 -ケアマネジャーになったきっかけは。

 もともとは系列の瑞穂くつろぎデイサービスで10年以上、介護職員をしていました。介護に携わるのは子どもの頃からの夢で、岐阜各務野高校福祉科で介護福祉士の国家資格を取得。瑞穂くつろぎデイサービスでは生活相談員もして、利用者から相談を受けたり、ケアマネジャーの方とお話したりする中で、ケアマネジャーの仕事に興味を持つようになりました。

 ケアマネジャーになるのに必要な介護支援専門員の試験は、育休中に受けました。試験に加えて実務研修も必要なので、そちらは仕事復帰後に受け、2022年9月に登録することができ、半年ほど前にケアセンターくつろぎに異動しました。

 -ケアマネジャーのやりがいは。

 ケアマネジャーは、介護サービスの利用にあたって最初に話を聞く存在です。利用者の望みや困りごとに対して提案し、より良い方法を探っていくことが求められますので日々学んでいかなければなりません。利用者のことも知っておく必要があります。この点がやりがいであり、大変だと思う点でもあります。

 -どんなケアマネジャーになりたいですか。

 介護のことで困ったらまずはケアマネジャーに相談をという雰囲気がある中、どのくらいの距離感で利用者に入り込めばいいのかは常に悩んでいます。デイサービスにいた時は、デイサービスの中でしか利用者と関わることはありませんでしたが、今は生活全般のことが関係してきますので、「これで良かったかな」と思い返すことは多くあります。これからもっともっといろいろなケースを経験して知識を蓄え、複数の選択肢を提案できる存在になっていきたいですね。

 まだまだようやく一人で判断できることが増えてきたというぐらいですが、それでも子育てとの両立を図りながら、この先もずっと大好きな介護業界にいるため、自分にとってはタイミング的にベストなところでケアマネジャーになる決意ができて良かったです。くつろぎグループで、介護職員からケアマネジャーになった人は私が初めてだと聞いています。デイサービスのことはよく知っているという強みを生かし、これから頑張っていきたいです。