古田肇岐阜県知事は20日、県内で確認された新型コロナウイルスの感染者に医療体制を提供してきた「自宅療養者ゼロ」について、21日にもできなくなるとの見方を示した。感染者の急激な増加に伴い、軽症者が入所してきた宿泊療養施設が事実上の満床に近づいているためで、古田知事は記者会見で「自宅療養者ゼロが明日(21日)にも難しいことになりそうだ」と現状を明かし、自宅療養者の健康観察や、生活支援をするチームを新たに立ち上げたと明らかにした。

 県内での陽性者はこれまで、病院に入院したり、看護師が常駐する宿泊療養施設に入所したりしていたが、感染の急拡大で病床は急激に逼迫(ひっぱく)。県が堅持してきた「自宅療養者ゼロ」の方針が転換する。古田知事は「大変残念だが、しっかりと自宅療養者の支援をしながら一日も早くゼロに戻したい」と述べた。

 県内はこの日、4日連続で300人を超える310人の新規感染者数が確認された。県では現在、病床783床に加え、ホテルなどを借り上げた宿泊療養施設1131床の計1914床を確保。しかし、宿泊療養施設は使用率が6割を超え、部屋の消毒などの作業を考慮すると「8割を超えたら満杯」という。

 自宅療養は、無症状・軽症の基礎疾患のない若者が中心となる。県と岐阜市、看護協会は約40人体制の支援チームを設置し、看護師らが電話で定期的に体調を確認するほか、食料品や生活必需品を配布する。血液中の酸素を測る「パルスオキシメーター」や体温計も用意する。症状悪化が確認された場合は、電話診療や往診、入院措置といった医療を提供する。

 全国では自宅療養中に症状が急激に悪化し、死亡する例なども確認されている。古田知事は「自宅療養者ゼロの原則を乗り越えるような高い水準で新規感染者が出てきており、自宅療養もやむを得なくなってきたことを理解してほしい」と述べた。