糸貫川が長良川に合流する辺りにある旧穂積町の字(あざ)です。全国各地に同様の地名があり、由来は文字通り「日当たりが良く、まるで乳母(うば)に抱かれているようなあたたかさを感じる所」というのが通説です。

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 ところが、丸山幸太郎著「地名が語るふるさと穂積」では興味深い説が紹介されています。当地のような姥地名と、富士山本宮浅間(せんげん)大社の祭神・木花(このはなの)開耶(さくや)姫命(ひめのみこと)を祭る各地の富士神社はペアで、姥地名は祭神の乳母をまつった地というのです。確かに「姥ケ懐」の東には富士神社があります=写真=。そして神社の字(あざ)は何と「富士山」なのです。両地は、乳母と命(みこと)の絆を表した地名であるとする説が有力だと感じます。

 地名の由来を複眼で捉える大切さや魅力を教えてくれる地名です。丸山氏は著書で「歴史の奥行きを感じる地名が伝承されている」と述べています。

【答え】うばがふところ