右から照らされた竜の畳
左から照らされた竜の畳
アート性を追求した畳を手掛ける山田憲司さん=いずれも羽島市竹鼻町、山田一畳店
わらの倉庫に飾られた壁掛け型の作品。薄い畳を使用している
光の当たる向きによって色の濃淡が変わる畳。同じものを並べても3色に見える

 1300年の歴史を持つ畳が、アートとして新たに生を受けた。従来の長方形から脱し、鋭角や曲線からなるパーツを組み合わせてできた作品は、自由自在に床を彩ることができる。

 畳に編み込むわらを貯蔵する倉庫が、世界で唯一の“アートな畳”を手掛ける山田憲司さん(38)のアトリエだ。現在は個人宅に納める、英ロンドンのビッグベンをモチーフにした畳を製作する。350個のパーツは型から手作り。そこにイ草を巻き付ける。

 

 従来の畳作りにない作業の連続。不要なイ草を切り取り、横糸の綿を切る。ばらけないように接着し、蒸気で柔らかくしてへりを折り曲げる。「地味な作業です」と指先に力を込める。

 天然のイ草は、控えめながら美しく光を反射する。「そんな畳に魅了されている。職人、芸術家などと立ち位置は気にせず、いいと思える作品を作りたい」

◆memo

 光を当てる向きによって色の濃淡が変化する天然イ草の畳の特性を生かし、山田一畳店の5代目、山田憲司さんが2年ほど前から製作する。多角形や円形を組み合わせた当初の頃より、アート性を追求。竜や人物の顔をかたどった作品などを手掛ける。