岐阜市柳戸の岐阜大医学部付属病院に9月下旬、米国・ラスベガスから2人のホスピタルクラウンが訪れました。ラスベガスの第一戦で活躍する2人が入院中の子どもたちを楽しませました。
無料クイズで毎日脳トレ!入口はこちら訪れたのは吉川泰昭さん(46)とベネディクト・ネグロさん(45)。奈良県出身の吉川さんはドイツ発祥のスポーツ「ラート」のパフォーマー。学生時代にラートを始め、ラスベガスやニューヨークなどアメリカのステージに出演しています。
ドイツ出身のネグロさんは「シルク・ドゥ・ソレイユ」の「O」のメインキャラクターとして活躍。米プロフットボールNFLの王者を決めるスーパーボウルにもパフォーマーとして参加したといいます。
吉川さんはオンラインで病院などにサーカスのパフォーマンスの映像を届ける活動をしています。新型コロナ禍の中、数年前に岐阜大学病院で実施したことから、今回実際に病院を訪れてパフォーマンスすることになりました。
同病院の小児科病棟を訪れた2人は「たれみみノエルの旅」(大伴龍輝さん作 10月出版予定)という絵本を基にしたステージを披露しました。吉川さんがプロデュースし、ラスベガスのステージで活躍しているデザイナーや映像作家、フィンランドの音楽家が参加した作品です。病棟内の部屋に特設ステージを設け、プロジェクションマッピングで絵本の世界を再現しました。
薄いスクリーンに絵本のイラストを投影。その後ろでネグロさんがパントマイムで主人公の犬「ノエル」を演じました。フィナーレでは投影された星が部屋中に輝き、小児がんなどで入院している子どもたちや保護者ら約20人を驚かせました。来ることができなかった子どもたちを見舞いに病室も訪れました。
ショーが終わって、ネグロさんはこう話しました。
「子どもたちの前でパフォーマンスをすることはうれしいが、それだけでなく、子どもたちのために働いているスタッフの皆さんが仕事をしながら喜んでいる顔をしてくれ、うれしかったです」。
吉川さんも「命を預かる場所でみんなが笑顔になってくれて、来られてよかったです。僕たちが元気をもらいました」と話していました。
小児科医師の小関道夫さん(47)は「患者、保護者、スタッフみんな喜んでくれました。夢のようなショーでした」と笑顔を浮かべていました。