県内でもなじみのあるレモン果汁「ポッカレモン100」
ラインの上を流れる「ポッカレモン」=愛知県北名古屋市、ポッカサッポロフード&ビバレッジ名古屋工場

 レモン型の容器が象徴的な「ポッカレモン」。なじみのあるレモン果汁が、22日で発売から65周年を迎える。製造・販売するポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)は、国内のレモン果汁市場で8割のシェアを持つが市場規模が小さく、レモン果汁の家庭での常備率は2割ほど。65周年を機に増産体制を敷き、マヨネーズやしょうゆといった定番調味料の仲間入りを狙う。

◆発売65周年、社会変化に適応

 創業地の愛知県北名古屋市の名古屋工場で16日、65周年を記念した報道陣向けのセレモニーが開かれた。レモン事業担当の大槻洋揮取締役執行役員は「社会や生活の変化に合わせながら次の65年に向かっていきたい」と力を込めた。

 同社は2013年にポッカコーポレーションとサッポロ飲料が統合して現在に至る。旧ポッカは1957年に創業者の谷田利景氏がカクテル向けの合成レモンを開発し、前身のニッカレモンを興したことに始まる。64年にレモンの輸入が自由化される前だ。66年の社名変更でポッカの名が登場。「流行していたゴルフズボンのニッカポッカがヒントになった」という。

◆出荷量右肩上がり、アレンジにニーズ

 今はアルゼンチンやイスラエル、イタリア産のレモンから果汁を抽出。食事の洋風化とともに出荷量は右肩上がりで伸び、ここ5年間は大幅に増えた。実数は非公表だが、毎年過去最高を更新しているという。疲労回復に役立つクエン酸が豊富なレモン。背景にあるのは健康意識の高まりと、多彩な料理に活用できるアレンジニーズといい、同社は「巣ごもり需要もあり、家庭での使用機会が増えている」とみている。

◆炭酸水向けや常温可能な新商品次々

 炭酸水に混ぜたり、焼き肉のタレに足したりと、レモン果汁の市場を切り開いてきたが、家庭での常備率はマヨネーズが6割強、ケチャップやしょうゆが6割弱なのに対し、レモン果汁は2割ほど。調味料の中ではマイナーで、大槻氏は「まだ伸びしろがある」と市場拡大を狙う。

 約15億円を投じて工場の生産設備を拡充。定番の「ポッカレモン100(70ミリリットル)」の生産能力を来春から20年比で3倍にする。用途を広げようと、炭酸水向けの新商品や開封後も常温で食卓に置ける新商品を発売する。目安にするのが、常備率3割の食酢。26年までにレモン果汁の常備率を現在の20・7%から25%に高めたい考えだ。