VOL.46
健康をつくることは、人生をもっと豊かにする。
11月14日は、1991年にIDF(国際糖尿病連合)とWHO(世界保健機関)が制定したWorld Diabetes Day(世界糖尿病デー)です。これに合わせ国内では、11月14日を含む一週間を「全国糖尿病週間」(今年は11月11~17日)として、日本糖尿病協会や関連団体などが中心となって糖尿病に関するさまざまな啓発活動を実施していきます。
糖尿病は失明や、脳卒中、心臓病などの命にかかわる合併症を引き起こすこともある病気ですが、2型糖尿病については食事や運動によって予防することが可能です。全国糖尿病週間に合わせて今一度、糖尿病について考えてみましょう。
11月14日木はWorld Diabetes Day(世界糖尿病デー)
11月11日月〜11月17日日は全国糖尿病週間
正しく理解しよう!糖尿病(ダイアベティス)
◆岐阜県の特定健診受診者のうち糖尿病が疑われる者(HbA1c6.5%以上)の割合
糖尿病とは、インスリンが足りなくなったり、効かなくなったりして、血液中のブドウ糖が細胞に入ることができなくなり、血液中に糖があふれてしまう病気です。
1型糖尿病では、膵臓からインスリンがほとんど出なくなることにより血糖値が高くなります。
2型糖尿病は、環境や体質が原因となり発症します。
岐阜県の特定健診受診者のうち、糖尿病が疑われる者の割合は年々増加傾向です。
予防のために出来ることは?
2型糖尿病については、食事や運動による予防・治療が可能です。日常生活を振り返り気軽にできることから取り入れてみましょう。
〈運動、食事で標準体重を維持〉
インスリンは、膵臓から出るホルモンで、血液中のブドウ糖を一定の範囲におさめる働きを担っていますが、内臓脂肪が多くなると、インスリンの働きが悪くなり、血糖値が上がります。また、食事のとり過ぎも血糖値が上がりやすい要因です。自分の体格や毎日の活動量に合わせて、栄養バランスのとれた食事をとることがとても重要です。まずは、毎日の体重測定を習慣にし体重変化を確認しましょう。
▶運動
定期的な運動は、血液中の血液中のブドウ糖を消費するだけでなく、内臓脂肪を減らします。
年齢(歳) | 目標とするBMI(kg/m2) |
---|---|
18 ~ 49 | 18.5 ~ 24.9 |
50 ~ 64 | 20.0 ~ 24.9 |
65 ~ 74 | 21.5 ~ 24.9 |
75以上 | 21.5 ~ 24.9 |
資料:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)
スポーツすることだけが運動ではなく、日常生活での家事や、階段の昇り降りも運動といえます。
世代に応じて、健康づくりのために推奨される身体活動が下表のとおりです。こちらに示されている「毎日6,000 歩」や「毎日8,000歩」は歩けなくても、少しでも身体を動かした方が健康によいことがわかっています。まずは今よりも10分多く身体を動かすように心がけましょう。座位時間を減らすことも重要です。健康状態や体力レベル、身体機能等を踏まえて強度や運動量を調整し、可能なものから取り組みましょう。
近年では、スマートフォン等の普及により気軽に歩数の測定も可能です。まずはご自身の身体活動量を「見える化」する事から始めてみてはいかがでしょうか。
対象者※1 | 身体活動※2(=生活活動※3+運動※4) | 座位行動※6 |
---|---|---|
高齢者 |
歩行又はそれと同等以上の(3メッツ以上の強度の)身体活動を1日40分以上(1日6,000歩以上)(=週15メッツ・時以上) 【運動】 |
座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する(立位困難な人も、じっとしている時間が長くなりすぎないように少しでも身体を動かす) |
成人 |
歩行又はそれと同等以上の(3メッツ以上の強度の)身体活動を1日60分以上(1日8,000歩以上)(=週23メッツ・時以上) 【運動】 息が弾み汗をかく程度以上の(3メッツ以上の強度の)運動を週60分以上(=週4メッツ・時以上)【筋力トレーニングを週2〜3日】 |
|
こども (※身体を動かす時間が少ないこどもが対象) |
(参考) ・中強度以上(3メッツ以上)の身体活動(主に有酸素性身体活動)を1日60分以上行う ・高強度の有酸素性身体活動や筋肉・骨を強化する身体活動を週3日以上行う ・身体を動かす時間の長短にかかわらず、座りぱなしの時間を減らす。特に余暇のスクリーンタイム※7を減らす。 |
※1 生活習慣、生活様式、環境要因等の影響により、身体の状況等の個人差が大きいことから、「高齢者」「成人」「こども」について特定の年齢で区切ることは適当でなく、個人の状況に応じて取組を行うことが重要であると考えられる。
※2 安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する骨格筋の収縮を伴う全ての活動。
※3 身体活動の一部で、日常生活における家事・労働・通勤・通学などに伴う活動。
※4 身体活動の一部で、スポーツやフィットネスなどの健康・体力の維持・推進を目的として、計画的・定期的に実施する活動。
※5 負荷をかけて筋力を向上させるための運動。筋トレマシンやダンベルなどを使用するウエイトトレーニングだけでなく、自重で行う腕立て伏せやスクワットなどの運動も含まれる。
※6 座位や臥位の状態で行われる、エネルギー消費が1.5メッツ以下の全ての覚醒中の行動で、例えば、デスクワークをすることや、座ったり寝ころんだ状態でテレビやスマートフォンを見ること。
※7 テレビやDVDを観ることや、テレビゲーム、スマートフォンの利用など、スクリーンの前で過ごす時間のこと。
▶食事
食事は、1日3食(朝・昼・夕)、主食・主菜・副菜を組み合わせ、バランスよく食べることが推奨されています。
正しい食習慣により過食を避け、偏食せずに規則正しい食事を意識しましょう。
〈食べる順番を一工夫〉
ご飯やパンよりも先に肉や魚、野菜から食べることで、血糖の急上昇を抑える効果があります。炭水化物を多く含む食品を真っ先に食べないようにしましょう。
〈栄養成分表示を確認して選ぶ〉
食品を買う際には栄養成分表示を確認し、自分に合った食品を選択するようにしましょう。
栄養成分表示には、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の含有量が示されています。食品により、「100g当たり」「1包装当たり」と単位が異なるので注意が必要です。表示を正しく理解し、食べようとしているものに各栄養素がどの程度含まれているか確認し、食べる量を調節したり、食品や料理を組み合わせるようにしましょう。
◆必要な1日あたりのエネルギーと栄養素
エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量(※1) | ||
30~49歳の場合身体活動レベルⅡ・ふつう | 男性 | 2,700kcal | 65g | 60g~90g | 338g~439g | 7.5g未満 |
女性 | 2,050kcal | 50g | 46g~68g | 256g~333g | 6.5g未満 |
※1 高血圧予防の場合は6g未満
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)
食物繊維は、他の栄養素の吸収を阻害したり吸収速度を遅くしたりします。
例えば、糖に関しては、その吸収速度を緩やかにすることで、⾎糖値の上昇速度を緩やかにし、⾷後の⾼⾎糖を防ぐことができます。
※一般の方向けに限る。添加物も同様。
ケーキやパンのような対面販売される商品など、一部の商品で省略が認められているものもあります。
早期発見のためにできることは?
初期の糖尿病は自覚症状がほとんどありません。
年に1度は健康診断を受診し、「血糖値」と「HbA1c」を確認しましょう。自覚症状が出たときには、すでに合併症が進んでいることも少なくありません。健康診断の異常所見を放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。また、通院中であっても定期健康診断は受診しましょう。
全国糖尿病週間の期間中、様々な啓発活動が行われます。
その1つがブルーライトアップです。
様々な施設が糖尿病啓発のシンボルカラーであるブルーにライトアップされます。岐阜県では、県庁舎と岐阜県関ケ原古戦場記念館でライトアップを行います。
ライトアップ
岐阜県庁舎 11/11~11/16 18:00~22:00
関ケ原古戦場記念館 11/11~11/17 17:30~20:00
啓発イベント
イオンモール各務原インター 11/9~11/17
県問合先
岐阜県健康福祉部保健医療課
TEL 058-272-1111(内線3316)
岐阜県清流の国推進部地域スポーツ課
TEL 058-272-1111(内線2617)