JR全線の普通列車が乗り放題になる「青春18きっぷ」。この冬から、使い方が大きく変わります。自動改札を使えるようになる一方、有効期間が、使用開始日から連続する3日間または5日間となります。1枚を複数人で使ったり1日単位で利用したりすることができなくなります。発売開始から四十数年。使い勝手は大きく変わります。

 今冬の「青春18きっぷ」の発売開始は11月26日から。利用期間は12月10日から2025年1月10日までの間。5日用と3日用の2種類。価格は、5日用は1万2050円。3日用は1万円です。

◆自動改札機に対応

 今夏までと大きく違う点は主に二つ。

 一つは、自動改札機を利用できること。

 これまでは、最初に駅で券面に日付を入れてもらい、乗り降りは駅係員がいる改札を通っていました。

 主要駅では、有人改札に長い列ができる光景を頻繁に目にします。また、近年は自動改札のみで駅員が常駐していない駅や改札口が増えています。リモートでの対応など、以前に比べ一手間かかる状況が散見されるようになっていました。

東海道線名古屋地区の新快速列車=西岐阜駅付近

◆「飛び石」では使えず

 大きく異なるもう一つの点は、使えるのが連続する3日間または5日間になるということ。

 2024年夏期までは、5回分が1枚という切符でした。例えば5人で1日使うとか、土日に使ってまた次の週末使うような「飛び石」で1人が5回使うことができました。

 今冬からは、購入時に決める利用開始日から連続して3日間または5日間使うことになります。前出のような使い方はできなくなります。

東海道線の静岡地区の普通列車=興津駅付近

 JR東海に変更の理由を問い合わせたところ、「利用状況や旅行形態が変化したため」と回答がありました。

 青春18きっぷの発売開始は、国鉄末期の1982年。近年はグループ利用から、1人が5日間や2、3日間の連続利用が目立つようになってきたそう。

 また、自動改札対応への要望も多かったともいいます。

◆崩れる利用ノウハウ

 今冬の青春18きっぷの詳細発表と同時に、これまで世に出ていた青春18きっぷに関するガイドブックや記事は、大半が意味をなさなくなりました。...