アウトドアブームの中で注目を集めているテントサウナ。新穂高ロープウェイ(高山市奥飛騨温泉郷神坂)はこの冬、雪山ならではのテントサウナ体験を始めた。北アルプスの景色を楽しめるだけでなく、水風呂の代わりに雪に飛び込むのが売り。昨年ようやく水風呂を克服した記者が温度差100度の世界を体験し、〝ととのって〟きた。

 


 鍋平高原駅近くの新穂高ビジターセンター「山楽館」のベランダに設営する。標高1308m。晴れれば焼岳が望めるが、この日は雪。気温は氷点下、白銀の世界が広がる。

 

 テントの準備はいたって簡単だ。スタッフと骨組みを組み立て、幕に通すとすぐに立ち上がった。薪ストーブを持ち込み、サウナストーンを載せる。特注品という木のベンチも置いた。大人の男性3人で10分ほどで完成した。ストーブに薪をこれでもかと突っ込み、ガスバーナーで火をつけた。

 
 

 ストーブの煙が白から透明に変わると温度が上がった合図。温度が上がる間に、隣接する露天風呂の脱衣所で短パン姿に。正午でも気温は氷点下6度。凍えてテントに飛び込む。「あー、気持ちいい」。90度近くまで上がったテント内は快適だ。サウナストーンに水をかけて蒸気を出す「ロウリュ」で一気に温度を上げる。肌がかーっと熱くなり、徐々に汗が噴き出してきた。

 

 入ること15分。玉のように付く汗を拭いて外気浴へ。まだ寒さを感じる。思い切って雪に腹からダイブした。叫んで跳ね回る。冷たいというより刺さる感覚。肌に付いた水滴が体温を急速に奪う。

 

 「テント、早くテント」。再びロウリュで暖めて10分ほど、ようやく体が芯から温まってきた。雪景色をただぼーっと眺める。温度が下がってきたため、スタッフが薪を追加で投入してくれた。仕事なのか、これは。

 

 2回目は雪へのダイブも我慢できた。体からは湯気が立ち上り、寒風もそよ風のようだ。気持ちいい。雪を固めた椅子に座り、屋外で冷やしておいた水を飲む。至福の時だ。

 

サウナ約15分、外気浴約5分を計4回繰り返した。自然と一体になれた気がした。最後は隣接する露天風呂でしっかり温まる。2時間ほど滞在して、しっかり「ととのいました」。

 


 「極寒と灼熱(しゃくねつ)の世界を体験できるのはここならでは」とスタッフの中田修さん。貸し切りで一日一組(4人まで)とぜいたくだ。晴れても悪天候でも自然をそのまま楽しめるのが魅力だろう。記者のサウナ熱に火がついてしまった。

利用は3月中旬まで。料金は1組8千円(ロープウェイ運賃別)。問い合わせは同館、0578(89)2254。