「on-dish」を紹介する高木大輔社長=大垣市赤坂町、石安

 墓石に使われる天然の御影石。墓石加工販売の石安(岐阜県大垣市赤坂町)は、御影石だけで作った皿「on―dish(オンディッシュ)」を昨年7月に商品化し、昨年末から大垣市のふるさと納税返礼品に登録した。蓄熱性の高さといった機能性や見た目の美しさから、月に10件程度の販売実績があるという。

 御影石の特徴の一つが蓄熱性の高さ。高木大輔社長(35)が夏場に墓の工事をしていると、熱くなった石がなかなか冷めないことから蓄熱性に気付き、食器ならその性能を生かせるのではと開発に着手した。

 当初は湯で温める方法を検討したが、日常的に使うには湯をわざわざ沸かすのは不便。そこで電子レンジで温める方法を検討したが、同じ御影石でも混入している成分の違いで、レンジでは温まらない石もあった。30種類程度を試し、レンジで温まり、最も蓄熱性が高い石を選んだ。オンディッシュは1分間レンジで温めると、15分間温かさが持続する。

 加工では、石を磨く最後の工程で墓石で培った技術を活用。墓石と同様に8種類の砥(と)石を使って丁寧に磨き、ピカピカに仕上げた。天然石のため1枚1枚異なる柄になり、磨かれた石の美しさを楽しめる。

 手間がかかることから、価格は1万3200円からに設定。ギフトとして購入する人が多いほか、東京都渋谷区のビストロなどこだわりのある飲食店が機能を評価して使っているという。

 食器という墓石とは全く異なるジャンルへの挑戦だった。高木社長は「墓石のイメージから御影石は重い、暗い、怖いというマイナスのイメージになってしまっている。御影石の魅力がうまく伝わる商品を作りたかった」と商品化した理由を語る。今は皿のみだが、今後は御影石を使った商品のブランド「mikage craft(ミカゲクラフト)」を前面に押し出し、マグカップなどラインアップを拡充するほか、皿の種類も増やしていく予定だ。「墓石の市場は縮小しているが、ミカゲクラフトを新しい事業の柱に育てていきたい」と意気込んでいる。