【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は23日、トランプ米政権の関税政策を協議する非公式の会合を開いた。主催した中国の傅聡国連大使は、米国が「世界の経済秩序を混乱させている」と批判。米国の代表は「中国が不公正な貿易慣行を続けている」と反論し、台湾に中国が圧力を強めて「孤立させようとしている」と言及するなど非難の応酬となった。
国際平和に責任を負う安保理で、関税が議題になることは異例。中国は15カ国の理事国だけでなく、全加盟国に参加を呼びかけていた。ただ決議が法的拘束力を持つ正式な会合とはせず非公式な会合とし、米国にも一定の配慮を示した。
会合で理事国以外で発言したのは、ベネズエラやキューバ、ベラルーシなど中国寄りの姿勢を示す国ばかり。いずれも多国間主義の尊重や公正な貿易などを訴えた。
会合の終わりに、傅氏は米国の追加関税を念頭に「一方的な措置や威圧的な行動は、社会の混乱や衝突につながる可能性がある」と総括した。台湾に関する米国の指摘に対しては「分離不可能な中国の一部だ」と自国の正当性を主張した。