農林水産省は30日、政府備蓄米の放出に向けて23〜25日に実施した3回目の入札について、ほぼ全量の10万トンが落札されたと発表した。今回は2023年産米が対象で、落札価格は60キロ当たり2万1926円だった。前回より454円安く、これまでの入札で最も低かった。高騰する店頭価格の抑制につながるかどうかが焦点となる。
農水省によると、入札に参加したのは6事業者で、販売提示数量に対する落札率は99・97%だった。過去2回入札の落札分21万2千トンと合わせ、計31万2千トンが放出されることになる。農水省は7月ごろまで毎月備蓄米を放出する方針で、市場価格や流通動向を踏まえて量を決めるとしている。
過去2回の落札価格平均は60キロ当たり2万2737円で、5キロ換算では1894円だった。落札した事業者や卸売業者が輸送コストなども踏まえて小売店へ販売する。これまでの放出分はスーパーでの店頭価格が5キロで3500円前後となっている。