【ワシントン共同】1月の第2次トランプ政権発足後、観光客ら外国から米国への訪問者数が減っている。政府統計によると、2月は約220万人で、前年同月比マイナス2・4%。3月は同マイナス11・6%の約239万人で、中米や西欧からの減少幅が大きい。不法移民に強硬姿勢を示すトランプ大統領に対する不安感が背景にあるとみられる。
新型コロナウイルス感染症の大流行が落ち着いた後、米国への訪問者数は増加傾向にあり、今年はコロナ前の水準まで回復するとの予測もあった。2026年にメキシコ、カナダと共催するサッカーのワールドカップなどに向け客の米国離れが広がれば、観光業界は打撃を受けそうだ。
トランプ政権は不法移民の摘発や強制送還の推進に加え、合法的に渡航する外国人にも厳しい対応を取っている。ホテルを予約せずに訪れたドイツ人観光客がハワイの空港で入国拒否され、強制送還されたとも報じられている。
トランプ氏は4月23日、訪問者減少は「大した問題ではない。米国は世界的な観光の中心地だ」と持論を展開した。