1日、ワシントンで講演する小林元経済安保相(共同)

 【ワシントン共同】訪米した自民党の小林鷹之元経済安保担当相は1日、ワシントンの米国笹川平和財団で講演した。トランプ大統領の関税政策によって世界が動揺する中、「他国の動向に右往左往しない日本をつくらなければならない」と述べ、日本は戦略的自律を迫られると訴えた。

 「米国という同盟国だけに市場を頼るのはリスクがある」とし、代替市場の拡大に向けて、ASEANをはじめとするグローバルサウスとの結び付きを一層強める外交を日本政府に望むと語った。

 ODAを続けてきた日本には各国からの「信頼という大切な資産がある」と強調。同志国軍に防衛装備品を供与する政府安全保障能力強化支援も通じて「世界から必要とされる国」になるという視点が、経済だけでなく安保の観点からも重要だとの考えを示した。

 自国第一主義を掲げるトランプ政権は対外援助を縮小した。小林氏はアジアで米国の影響力が低下し、生じる空白を中国が埋めようとするだろうと指摘。自由で開かれたインド太平洋を「日本が旗手としてつくっていくことが求められている」と語った。