多度大社の「上げ馬神事」で、地元の若者を乗せ坂を駆け上がる馬=4日午後、三重県桑名市

 三重県桑名市の多度大社で4日、地元の若者が乗る馬が坂を駆け上がる「上げ馬神事」が開かれた。動物虐待との批判を受け、昨年同様、勾配の軽減などの改善策を講じた。複数の馬が坂を疾走して登り切り、多くの観客から歓声が上がった。5日も開催される。

 上げ馬神事は南北朝時代に起源があるとされる。2023年までは高さ2メートルの土壁を馬に越えさせ、飛んだ回数で農作物の豊凶を占っていた。近年は負傷した馬を安楽死させたことで批判を浴び、24年の神事では勾配を緩め土壁を撤廃。馬の負担軽減のため、今年から新たに走路全体と登り切った後に歩く境内に砂を敷いた。