自民党の西田昌司参院議員は、ひめゆり学徒隊を巡る展示について「歴史の書き換え」があったと主張した。生存者が伝えてきた凄絶な戦場体験などを基に、沖縄戦の記憶継承に当たっている研究者たちは「平和祈念資料館は、生存者らの数々の証言に基づいた展示をしている。西田氏の認識は誤っている」と批判している。
西田氏は3日、展示について「米国が入ってきて、沖縄が解放されたと。そういう文脈で書いているのではないか」と述べた。資料館の普天間朝佳館長は否定し「現在にも過去にもこうした説明はしていない」と強調する。
資料館の常設展示では、動員前の学校生活の様子を示し、皇民化教育によって軍国少女に育っていったことを紹介。その後の戦場での悲惨な経験を、当時の物品の展示や生存者の証言映像で克明に伝えている。米軍を肯定的に評価する内容は見当たらない。
戦後、沖縄は米軍統治下に置かれ「銃剣とブルドーザー」により強制的に土地を奪われた。1972年に日本に復帰したが、現在も在日米軍専用施設の約7割が集中し、航空機の騒音被害は著しい。米軍人らによる犯罪も後を絶たない。