東京五輪・パラリンピックの大会運営事業を巡る談合事件で、独禁法違反(不当な取引制限)の罪に問われた広告大手博報堂と博報堂DYスポーツマーケティング元社長横溝健一郎被告(58)の控訴審判決で、東京高裁は8日、博報堂を罰金2億円、横溝被告を懲役1年6月、執行猶予3年とした一審東京地裁判決を支持し、博報堂と横溝被告の控訴を棄却した。一連の事件で高裁判決は初めて。
博報堂側は、不当な取引制限があったとする範囲に、入札が行われたテスト大会運営業務だけでなく、随意契約だった本大会の運営業務なども含むことには合理的疑いがあると主張したが、家令和典裁判長は「一連の業務が一体だとの認識の下、各事業者らが互いに歩調を合わせた」として退けた。
その上で、博報堂が大会組織委員会大会運営局の元次長=有罪確定=の意向に沿って受注調整を試み、他の事業者との合意によって入札が実質的に制限されたと認定した一審の判断に誤りはないとした。