日本製鉄の森高弘副会長は9日の決算記者会見で、米鉄鋼大手USスチールの買収計画について、トランプ米大統領の判断期限である6月5日に言及した上で「そこで終わらせようと全力を挙げている」と強調し、早期決着に意欲を示した。
USスチールを巡ってはバイデン前米大統領が1月、日鉄の買収計画の禁止を命令。トランプ氏が4月、計画を改めて審査するよう対米外国投資委員会(CFIUS)に命じる大統領覚書に署名した。CFIUSは45日以内に報告した上で、トランプ氏が15日以内に判断する。
トランプ氏は日鉄によるUSスチールへの投資を歓迎する姿勢を示す一方で「日本に渡ってほしくない」と述べ、完全子会社化には一貫して否定的だ。
日鉄の2025年3月期連結決算は、純利益が前期比36・2%減の3502億円だった。中国の過剰生産と輸出増加を背景とした国際的な市況悪化が響いた。