自民党は、選択的夫婦別姓制度を巡り独自法案の今国会提出を見送る方向で調整に入った。党幹部が10日明らかにした。党内に推進派と慎重派の両論があるのに加え、夫婦別姓の対案として検討中の「旧姓使用拡大案」の制度設計も時間がかかるため、拙速に意見集約するべきではないとの判断に傾いた。立憲民主党が制度導入に向け提出した民法改正案には反対する方針。野党間の足並みもそろわず、今国会の法案成立は厳しい情勢だ。
自民の森山裕幹事長や小野寺五典政調会長ら執行部は8日、党の「氏制度の在り方に関する検討作業チーム」役員と面会し、党内議論の報告を受けた。旧姓使用拡大案は保守派議員が支持しているものの細部で見解が分かれており、独自法案を提出して6月22日の会期末までに成立させるのは厳しいとの認識を共有した。
立民が4月30日に単独提出した民法改正案への対応も協議した。選択的夫婦別姓が導入された場合、100以上の関連法に影響する可能性があり、見極める必要があるとの意見が出た。