ハンセン病の元患者や研究者らでつくる「ハンセン病市民学会」(大阪市)は10日、熊本市で交流集会を開き、患者の隔離政策下での人権問題について議論した。識者らは、ハンセン病への偏見や差別が根強く残ることを念頭に「自分の中の差別意識に気付くために、問題を自分事として考えることが必要だ」と訴えた。
パネルディスカッションでは、医療に関する人権問題を取り上げた。ハンセン病の療養所で起こった医療事故を説明した小林洋二弁護士は、閉鎖的な療養所では医療の本質的な問題がクローズアップされるとして「そうした視点で振り返ることが悲惨な経験を未来に生かすために必要」と語った。