九州電力は11日、定期検査中の玄海原発3号機(佐賀県玄海町、出力118万キロワット)の管理区域内で、協力会社の男性作業員(39)が10日に微量の放射性物質を体内に取り込み、内部被ばくしたと発表した。九電は「身体に影響を与えるものではない」と説明している。九電の原発での内部被ばくは初めてという。

 九電によると、男性の内部被ばく量は11日時点で0・02ミリシーベルトで、自然界から1年で受ける平均線量約2・1ミリシーベルトに比べて、極めて低いとしている。

 男性は10日午前、他の作業員2人と原子炉容器上部に設置してあるふたの清掃作業をしていた。作業後、放射性物質の有無を測定したところ、鼻付近に汚染が判明し、11日に内部被ばくと判断された。

 男性は全身を衣服などで覆っており、衣服を脱ぐ際に放射性物質を吸い込んだとみられる。他の作業員は、体内への取り込みはなかった。

 玄海原発3号機は3月末から定期検査を実施しているが、九電は今回の事案を受け、一部作業を中断した。