公正取引委員会は12日、下請け業者への買いたたきや支払い遅延といった下請法違反を把握する定期調査が、2024年度は過去最多の42万件に上ったと発表した。前年度から1万件増加。コスト上昇分の適正な価格転嫁を推進するため、買いたたきなどの行為への監視を強化している。
調査は毎年度、親事業者と下請け業者を対象にアンケートなどで実施。23年度がそれぞれ8万件と33万件の計41万件で過去最多だったが、24年度は取り締まり強化のため親事業者数を拡大した。
下請法違反に当たるなどとして親事業者を指導したのは8230件で、23年度の8268件から横ばい。人件費やエネルギーコストが上昇する中、荷物運送の代金の引き上げを求められたのに、十分な協議をせず据え置いた例などがあった。
下請け業者の不利益が大きいとして親事業者を公表した勧告は21件で、公表を開始した04年以降で最多に。これらは既に明らかになっており、このうち9件は部品製造に使用する金型や木型を無償で長期間保管させた事案だった。