【アンタルヤ共同】NATOは14日、トルコ南部アンタルヤで非公式外相会合を開く。15日まで2日間の日程で、ルビオ米国務長官らが出席。加盟国の防衛費をGDP比5%に引き上げるよう迫るトランプ米政権に対し、欧州が実現に向け道筋を示せるかどうかが焦点となる。
ロイター通信によるとNATOのルッテ事務総長は加盟国に対し、2032年までに防衛費をGDP比3・5%に引き上げ、さらに1・5%を軍用車両が利用する道路の改修などの関連費用に充てることを提案。関連費も含めて5%にすることで、トランプ政権との合意を探る構えだ。
米国のウィテカーNATO大使は外相会合に先立つ13日の記者会見で「われわれの数字はあくまでも5%だ」と強調。一方で「戦車やミサイルだけでなく、インフラ整備やサイバーセキュリティーも含む」との認識を示し、ルッテ氏の提案に前向きな姿勢を示した。
NATO年次報告書によると、GDP比2%の現行目標を24年に達成したのは加盟32カ国中22カ国。米国を含めて防衛費が5%に達している加盟国はない。