トランプ米大統領が対シリア制裁を解除する方針を表明したことを受け、街に繰り出して祝うシリア人ら=13日、シリア首都ダマスカス(ゲッティ=共同)

 【リヤド、カイロ共同】トランプ米大統領は13日、サウジアラビア首都リヤドでの演説で、米国の対シリア制裁を近く解除する方針を示した。14日にはサウジでシリアのシャラア暫定大統領と初めて面会した。制裁が解除されれば、内戦で荒廃したシリアの国土再建に向けた後押しとなる。トランプ氏は演説で、ルビオ米国務長官が週内にトルコでシリア暫定政府のシェイバニ外相と会談することも明らかにした。

 米欧は2011年、反政府デモを武力弾圧するシリアの旧アサド政権に経済制裁を発動した。旧政権は24年12月に崩壊し、その後に成立した暫定政府は米欧諸国に制裁の全面解除を訴えていた。10年以上の内戦を経験したシリアは復興と治安回復が課題となっている。

 トランプ氏は、サウジのムハンマド皇太子やトルコのエルドアン大統領と協議した上で判断したと表明。「多くの惨状と死を目にしてきたシリアで、新たな政府が国を安定させ、平和を維持してほしい」と訴えた。

 シリアの国営通信によると、シェイバニ氏は米国の制裁解除方針を歓迎した。