名古屋市で開かれた「なごや平和祈念式典」で黙とうする広沢一郎市長(右端)ら=14日午後

 名古屋市は14日、太平洋戦争中の名古屋空襲などで犠牲になった人たちを追悼する「なごや平和祈念式典」を開いた。出席した空襲体験者が「戦争は罪のない多くの人の命を奪う」と訴え、次世代への継承や非戦の思いを新たにした。

 同市中区役所のホールで開かれた式典には約150人が参加。広沢一郎市長は「戦争を知らない世代への継承が必要だ。平和を未来に引き継ぐための取り組みを進める」とあいさつした。

 同市熱田区で空襲を経験した住職中野見夫さん(86)は講演で、実家の寺に犠牲者が運び込まれた当時を振り返り「衣服や遺体の焦げた臭いがいまだに漂っている気がする」と非戦を訴えた。