宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日、太陽光の圧力を風のように利用して進む宇宙ヨット「イカロス」の運用を終えたと発表した。2010年5月の打ち上げ後、14メートル四方の帆を展開。光を受けて加速したり、帆の向きを調整して軌道変更したりする実験に世界で初めて成功した。15年以降は通信ができておらず、今後も回復が見込めないと判断した。
イカロスは、太陽光のわずかな圧力を利用した飛行と、薄膜太陽電池による発電を組み合わせた「ソーラー電力セイル」の技術実証機。燃料を使わず進めるため、木星など遠方の探査や、燃料の積載量が限られる超小型衛星への利用が期待される。