19日、スイス・ジュネーブで開かれたWHOの総会でスピーチするテドロス事務局長(共同)

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)の加盟国は19日、WHO総会の委員会で、感染症の世界的大流行(パンデミック)への備えやワクチン公平配分の仕組みを定めた新たな国際ルール「パンデミック条約」案を最終議論し、承認した。20日の全体会合で採択する見通し。WHO脱退を表明した米国は総会を欠席した。

 スイス・ジュネーブで開かれた総会の委員会で南アフリカは、新型コロナウイルスのワクチン供給で途上国が取り残された経緯を踏まえ「途上国への特別な配慮が必要だ」と主張。メキシコは「危機に単独で立ち向かえる国はない」として国際協力を訴えた。

 日本は「(ワクチン製造)業界による支援がなくては条約は砂上の楼閣となる」と述べ、採算性も重要だと指摘した。

 スロバキアが条約案は「法的に不完全だ」として、賛否を問う投票を要求。スロバキアを含む11カ国が棄権したが、議場で投票した全124カ国は賛成意見を示した。

 総会は27日まで。