埼玉県戸田市の首都高速道路で昨年5月、トラックが乗用車に追突するなどし3人が死亡、3人が重軽傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)罪に問われたトラック運転手降籏紗京被告(29)は20日、東京地裁の初公判で起訴内容を認めた。

 起訴状によると、発熱で体調を崩していたにもかかわらず事故を起こすことはないと安易に考え、昨年5月14日未明に神奈川県から埼玉県へ向け出発。午前7時35分ごろ、首都高池袋線下り線を時速約75〜80キロで走行中、渋滞で停車していた乗用車に追突し、さらに前方の乗用車やトラックを巻き込む事故を起こした。

 検察側は冒頭陳述で、勤務先に借金があった被告は、迷惑をかけられないとの思いから、事故当日に市販の風邪薬を服用し出勤したと指摘。事故直前には右手でハンドルを操作しながら、左手でスマートフォンを操作し、知人女性にLINE(ライン)でメッセージを送っていたとも述べた。

 証拠調べで、検察側は事故時の様子が写った被告のトラックのドライブレコーダーなどを提出した。