パートらの厚生年金加入拡大を柱とする年金制度改革法案は20日午後、衆院本会議で審議入りした。出席した石破茂首相は、厚生年金の積立金を活用した基礎年金の底上げは「流用だとの意見があった」ことで見送ったと説明した。底上げの是非は、2029年に行われる次回の年金財政検証の結果を踏まえ「適切に検討し、必要な措置を講じる」と表明した。
立憲民主党の井坂信彦氏への答弁。井坂氏は底上げの見送りによって現役世代や若者が将来、低年金に陥るリスクがあるとして法案を修正するべきだと訴えた。首相は「決して現役世代や若者を見捨てる法案と評価されるものではない」と理解を求めた。
法案は、保険料負担を避けるための働き控えを招く「年収106万円の壁」などを撤廃し、パートらの厚生年金加入を促す。首相は「将来の給付を充実させ、現在の受給者の増額措置を盛り込んだ極めて重要なものだ」と述べた。