【エルサレム共同】イスラエル軍は19日、約2カ月半止めていたパレスチナ自治区ガザへの支援物資搬入を限定的に再開した。一方で大規模地上侵攻に再び乗り出しており、犠牲者が増え続けている。「子どもは空腹と爆撃音で悲鳴を上げている」「これで物資が足りるわけがない」。住民らが電話取材に訴えた。
「搬入再開は国際社会の批判をかわすためのパフォーマンスだ」。4児の父ハッサン・ムハンマドさん(32)が語気を強めた。
2カ月前、退避通告を受けてガザ最南部ラファから避難。南部ハンユニスの砂漠地帯でテント生活を送る。1日1回、配給で鍋に入れてもらう豆の煮込みで家族は食いつないでいる。自分は家族に煮込みを届けてその場を離れ、水だけでしのぐこともあるという。
「子どもは腹をすかせて攻撃の恐怖におびえている。子どもがこの苦しみを味わうくらいなら、死んだ方が楽になれるのではないかと考えてしまう」。ムハンマドさんは胸の内を明かし、泣き出した。
3児の母ジャラ・スワンさん(43)は「数台のトラックは何の意味があるのか」と憤った。