【バンフ共同】加藤勝信財務相は21日(日本時間22日)、G7財務相・中央銀行総裁会議のために訪れたカナダ西部バンフでベセント米財務長官と会談した。円とドルの取引を巡る為替水準の目標については議論にならず、為替レートは市場で決定されるべきだという共通認識を再確認した。会談後に加藤氏が記者会見して明らかにした。
個別での対面会談は米首都ワシントンで開催した4月以来2度目で、前回会談での議論をおおむね踏襲する内容となった。米財務省によると、現在のドル円相場は、経済の基礎的条件を反映しているとの認識でも一致した。
加藤氏は引き続き2国間の諸問題を緊密に議論することで一致したと述べた。米関税措置を巡る為替分野の議論を継続するかどうかは「断定的なことを申し上げるのは差し控えたい」と語った。
日米の会談に先立ち、G7会議は21日に本格的な討議が始まった。ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援や中国企業による過剰生産問題、トランプ米政権の高関税政策による世界経済の先行きへの不確実性などを議論した。