セネガル館を訪れ、英語表記のみの展示を見つめる来場者=21日、大阪市此花区の夢洲

 大阪・関西万博は来場者が言語の壁を越えて楽しめるよう、展示や関連ホームページの多言語対応が進められている。ただ、一部の海外パビリオンは英語表記しかなく、多言語で情報発信する万博の公式サイトは説明文の翻訳ミスを指摘する声があり、取り組みは道半ばだ。

 セネガル館は歴史や文化を紹介する展示は英語で書かれ、よく読まずに帰る人の姿も見られた。同館の責任者は「日本語訳を求める声は毎日ある」と明かす。案内する際は翻訳機を使っているという。

 内部を施工した国内業者によると、セネガル側から展示内容のデータが届いたのは3月末〜4月で、日本語表記の作成が開幕に間に合わなかった。日本語のパネル設置や、スマートフォンで読み込むと日本語訳が見られるQRコードを付ける準備を進めている。

 万博公式サイトは多言語に対応しているものの、一部の言語は日本語や英語からの機械翻訳で、間違いが多いとの指摘が海外メディアなどからあった。万博協会は、専門用語を正しく翻訳できるようにするなど「改善できるところは取り組む」と説明する。