2014年4月、自身の作品を紹介するセバスチャン・サルガドさん=シンガポール(ゲッティ=共同)

 【サンパウロ共同】ブラジル出身の世界的な写真家セバスチャン・サルガドさんが23日、フランスの首都パリで死去した。81歳。死因は不明。ブラジルメディアが報じた。飢餓や環境など世界各地の社会問題を力強いモノクロの写真で伝え「神の目」を持つ写真家とも称された。

 1944年、ブラジル南東部ミナスジェライス州アイモレス生まれ。サンパウロ大やパリ大で経済学を学び、ロンドンの国際コーヒー機関で勤めた後、73年から写真家として本格的に活動を始めた。

 代表作にアフリカの飢餓を追った「サヘル」や、世界各地の労働者を題材にした「人間の大地 労働」、地球上に残る元始の自然を撮影した「ジェネシス」など。

 82年のユージン・スミス賞、85年の世界報道写真賞をはじめ数々の賞を受賞した。2021年には高松宮殿下記念世界文化賞にも選ばれた。