2024年9月、三宅島の富賀浜で白化したサンゴ(三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館内藤明紀さん撮影)。下は2022年7月の富賀浜(コーラル・ネットワーク土川仁さん撮影)

 伊豆諸島の三宅島(東京都三宅村)沿岸で昨年秋、サンゴの白化が広範囲で確認された。村営の自然観察施設「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」が調査した。環境省の昨年度の調査では、南西諸島でサンゴの白化が見られており、比較的緯度の高い海域への広がりが明らかになった。白化は高い海水温が原因とみられ、長引くとサンゴが死滅する恐れがある。

 三宅島は環境省の調査範囲には含まれないが、卓状サンゴが広がりスキューバダイビングで人気のスポット「富賀浜」がある。アカコッコ館の調査は2024年10月23日、富賀浜と「カタン崎」の2カ所で実施。沖合約50メートルで、海岸線と並行する長さ約100メートルの線状の範囲を目視で調べた。平均水深は約10メートル。

 その結果、富賀浜ではサンゴの全てが白化。カタン崎は89・4%が白化していた。生きたサンゴが海底を覆う割合の「被度」は富賀浜が23・1%、カタン崎が24・4%。23年に比べそれぞれ約46ポイント、約19ポイント低下した。