【エルサレム、ニューヨーク共同】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は23日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザへの攻撃を拡大したことで、15〜21日に新たに16万人以上が避難を強いられたと発表した。国連のグテレス事務総長は記者会見で、ガザの面積の8割が軍事区域や退避通告の対象で「立ち入り禁止」となり、住民が狭い地域に閉じ込められていると批判した。
イスラエル軍はイスラム組織ハマスに人質解放を迫り、軍事圧力を強化。18日にはガザ北部と南部で大規模な地上侵攻の再開を発表した。ネタニヤフ首相はガザ全域の制圧を目指す方針を掲げており、民間人被害の拡大や人道状況悪化への懸念が強まっている。
イスラエルは3月初旬から約2カ月半の間、停止していたガザへの支援物資搬入を今月19日に再開させたが、ネタニヤフ氏は供給を「最低限」に絞る考えを示している。