北朝鮮による拉致被害者の帰国を求める「国民大集会」で気勢を上げる出席者ら=24日午後、東京都千代田区
 北朝鮮による拉致被害者の帰国を求める「国民大集会」で話す横田早紀江さん=24日午後、東京都千代田区

 北朝鮮による拉致被害者の帰国を求める「国民大集会」が24日、東京都内で開かれた。横田めぐみさん=失踪当時(13)=の弟で、被害者家族会代表の拓也さん(56)は金正恩朝鮮労働党総書記に「家族やきょうだいを返してほしい。あなたの前の代で行われた負の遺産を解決し、勇気と英断で明るい未来が描ける国にして」と呼びかけた。

 冒頭、2月に96歳で亡くなった、有本恵子さん=同(23)=の父明弘さんに黙とうをささげた。拓也さんは恵子さんの写真を手に「この無念の思いを無駄にせず、残された私たちが声を上げ続けていく」と決意を語った。日本政府には日朝首脳会談の実現を求めた。

 石破茂首相も出席し、金氏との会談で解決を図る考えを強調。「何としても突破口を開く。さまざまなルートでの働きかけを一層強めていく」と述べた。

 集会は家族会や支援団体「救う会」などが主催し約800人(主催者発表)が参加。親世代が存命のうちに一括帰国が実現するなら、日本政府による人道支援や独自制裁解除に反対しないとし、金氏に決断を求める決議を採択した。